2014年5月7日水曜日

GEISAI#20 グランプリ・金賞受賞

GEISAI#20において、グランプリ・金賞を受賞しました。

GEISAIとは、アーティスト村上隆さんがチアマンを務める、若手アーティストの支援を目的としたアートの祭典です。

受賞の副賞として、Hidari Zingaroでの個展の機会とホルベイン様より50万円相当の製品を頂くことになりました。受賞を大変光栄に思うとともに、多くの方々に作品を観ていただいた事を嬉しく思います。また、発表する場を与えていただいたことに深く感謝を申し上げます。

GEISAI#16以降、二度目の参加となりましたが、前回の時よりも多くの方々と作品の説明を通して交流できたことが大きな収穫となったように思います。










今回の展示では、ΟΡΓΑΝΟΝ​ (オルガノン)という作品シリーズを発表しました。

ΟΡΓΑΝΟΝとは、ギリシャ語で「道具」という意味を表します。

「文体は意識を具現化するための道具である。」という考えのもと、シリーズ名として引用しています。

作品には私的な哲学や日常の記録が、自ら考案した自らの文字で記されています。
言語や文字は、話者や筆者がこの世に一人しかいないとしても、文法が存在するが故に、やがて解明されるであろう可能性を内在し続けるという、時限装置としての側面を持っています。

また、このシリーズでは長期の経年変化に耐え得るということをテーマとしているため、以前より陶を用いた焼き物による立体作品を制作してきました。

2014年より、それらの焼き物作品に加え、絵画における長期の経年変化に耐え得る表現として、フレスコ技法を用いた平面作品の制作をスタートさせました。

ΟΡΓΑΝΟΝシリーズの作品群は他者を理解するためのコミュニケーションツールとしてではない、文字のあり方を模索することから生まれたものですが、単なる自閉が目的ではありません。文字を共有するモノ同士の時空を超えたコミュニケーションの実験であると同時に、「理解とは極めて限定的なものである。」ということを問いています。






秘める
2012

6.2×9.8×9.8cm




私が己の文字を刻み記すのは、思考の過程にある〈目的の尊厳〉を、誰よりも求め続けるからだII
2012

22.5×19.5×19.5cm





私が己の文字を刻み記すのは、思考の過程にある〈目的の尊厳〉を、誰よりも求め続けるからだIII
2012

24.2×20.5×20.5cm




私が己の文字を刻み記すのは、思考の過程にある〈目的の尊厳〉を、誰よりも求め続けるからだV
2012

21×19.5×19.5cm




私が己の文字を刻み記すのは、思考の過程にある〈目的の尊厳〉を、誰よりも求め続けるからだVII
2013
16.5×15×15cm






Ο-1
2014
フレスコ
80.3×80.3cm




Ο-3
2014
フレスコ
41×41cm