3月1日のギャラリートーク、無事終了しました。
少し、話のテンポが早かったかもしれないと反省しております。
独自の文字を刻んだ作品シリーズ、オルガノン(http://www.akio-ishiyama.net/#!-works3/c16x2)についての質問のほとんどが、「作品にはどういったことが書かれているのか?」あるいは、「なぜ、今、作品を残すのか?」といったことに集約されます。
「なぜ、今、作品を残すのか?」という質問をいただく度に、ぽかんとしてしまいます。それは、おそらくナンセンスな質問だからです(笑)。
作品に刻み記した内容についてはコンセプト上、お答えすることはできませんが、今、自分が作品を作る理由は明解すぎるほど明解です。
簡単に言うと今しか作れないからです(笑)。幽霊になってからでは、多分、作れませんし・・
芸術作品としての真価が問われるのは自らの死後、それがどういった価値を創造しているかに尽きると考えています。自らの意志や意図が未来に影響を与えるためには、生きている時代に作品そのものの中に独自の構造を作らなければなりません。
自分にしか読めない文字を作品に刻み記すということは、生きている時代において自らの言論の自由を獲得する一つの手段でもあります。
例えば、作品の中に文字として「自由」と書いたとしても、それは単なる祈りや願望、あるいは不自由な現実に対する嘆きなどであり、構造として作品そのものが自由を獲得することにはならないはずです。
つまり、自らの作品が自由を獲得するためには、他者に犯されることのない独自の構造を作品そのものの中に組み込まなければならないということです。
その独自の構造というのが、オルガノンの作品シリーズの場合、独自の文法を持った、自分にしか読めない文字を刻み記すということです。
作品にはどんなことが書かれているのかという謎の部分に注目する方が多いのですが、オルガノンシリーズの場合、謎を創造することそのものが今から未来に向けた、価値の創造になります。まぁ、くだらない価値の創造かもしれませんがww
身も蓋もない話ですが、幽霊になる前に全ての芸術家がこの世界でしなければならないことは、今、作品を作ることです。
会期:2015年2月3日(火)~2015年4月12日(日) 料金:一般600(480)円/高大学生・65歳以上400(320)円/ 中学生以下 無料 |
※( )内は20名以上の団体料
休館日:月曜日、2月12日(木)
主催:川崎市岡本太郎美術館、公益財団法人岡本太郎記念現代芸術振興財団