数時間後には、はっきりと喋れるようになったものの、体の痺れや、頭に靄がかかったような症状が、その後も続きました。
コロナ禍で病院に行くことをためらい、倒れた当日に救急車を呼びませんでした。三日後、病院を受診したら、お医者さんにめちゃめちゃ怒られ、呆れられました(笑)。
本来、そういった症状がある場合、命や後遺症に関わる可能性があるため、倒れてから二時間以内に迷わず、救急車を呼び、病院で処置を受けるべきだったと仰っていました。
診断によると、重度の熱中症による「脳梗塞」とのことでした。
その数日後、総合病院の脳神経外科が休診だったため、内科を受診。そこであらゆる精密検査をしました。血液検査ではヘモグロビン値の上昇など、脱水症状による多血症であることが明らかになりましたが、MRIでは大きな血栓は見られませんでした。総合病院の受診後に行った治療院の鍼治療などで、一時期、症状は改善しました。
ただ、半年以上経った今でも握力は半分くらいしかなく、手足には痺れや若干の痛みがあるなど、いくつかの症状があります。走り出そうとしたり、立ち上がろうとする時に、脳の指令が伝わるのが少し遅れるというか、体が重く感じるというか、若干のタイムラグがあったりします。
結局、体調や負荷を考え、造園系の見習いのお仕事は辞めさせていただきましたが、とても刺激的な現場ではありました。お世話になった方々にとても感謝しております。
元々、東健次さんの《虹の泉》が少し気になっていたこともあり、美術の領域に近接する、あるいは拡張するような技能を学べる仕事を探しておりました。
ただ、ほんの少しだけやってみて、そもそも肉体を酷使する現場仕事は、自分の美術とはあまりにスケールが違い、向いていないとも感じました。まだまだ、これからが本番という時に辞めた事は残念ではありますが、いつか、少しでも、美術のヒントになればと思っております。
日常生活に大きな支障はないものの、土を少し練ったりするだけで結構、疲れます。
とりあえず、やりたいことと向き合える「今」があることに感謝しています。