2014年2月27日木曜日

塊土像と土地蔵ー







塊土像 2014  陶土 サイズ可変


私はこれまで土地蔵(どじぞう)と自ら名付けた地蔵を土で作ってきました。卒業制である塊土像(かいどぞう)という作品は土地蔵から派生した創作物となります。


土地蔵はまだ、ほんの一部しか公開していませんが、極小サイズのものも含めれば、公開している作品の数の数百倍となる作品を作ってきました。いずれまとまった形で発表をします。


土地蔵(弐拾捌) 2013  撮影:松原豊

 

土地蔵(捌) 2013 撮影:松原豊 


土地蔵(陸拾伍) 2013 撮影:松原豊




仰ぎ崇められる信仰の対象であるわけでもなく、至る所にひっそりと存在しながら多くの人の心を和ませてしまう地蔵という存在は、特異な信仰対象であると考えています。

土地蔵は地蔵というその特異な信仰対象に対する憧れや、信仰そのものに対する葛藤がない交ぜになった創作物であり、既存の信仰対象を、自らの造形手法によって変容させていくということに主眼をおいたモノです。土地蔵は合掌のポーズをとっているということ意外に共通点は全くなく、まるで地蔵とは思えないような造形をしているものも多く、個体ごとに表情や形体は異なります。

それに対し、塊土像は全ての個体に共通のテーマがなく、土の塊によって得体の知れない創作物を作っていく、あるいは神や仏ではない自らにとっての理想の対象物を造形によって追い求めていくことを命題としています。土地蔵と塊土像は、造形的には類似したものではありながらも、信仰の体現と葛藤の象徴である土地蔵とは逆のベクトルに位置するものが塊土像です。




塊土像 2014 サイズ可変

人間を超えた何者かへの祈り、あるいは、反発、この自らに内在する相反する思いをもとに創作を繰り返す自らは、「にんげんだけど・・」や「にんげんだから・・」という主題を突きつけながら何かを表出する、「にんげんだもの」が嫌いな自律的な表現者であると認識しています。


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