2013年3月19日火曜日

〈尊敬〉と〈憧れ〉と〈限りなく憧れに近い人〉


(この投稿文は、前ブログにて2012年1月30日にアップした文章の一部を修正、加筆したものです。)

1月25日(火)に、兄、石山浩達の個展「Alien Vision」を観るために東京に行ってきました。

兄とは普段から良く会いますし、語り合う事も多いのですが、作品をまとまった形で観るのは久しぶりでした。

展示作品のいくつかは、以前から知っていたものの、相変わらずのセンスや迫力、技量に圧倒されました。特に最新作〈Alien Vision 4:渦動〉は色彩や描写が展示作品中、最もクリアで、とにかく強烈でした。

観るものに迫ってくるような構図の選択もさすがです。私は絵を描く事は決して得意ではありませんし、あのように描けるわけがないですが、もし仮に描けたとしても、あのように思い切った構図を選択する勇気はないと思います。

強烈で真っすぐな表現のままの兄の絵をみて、小さい頃、戦隊モノのロボットをはじめ、ゴルドラン、ダグオン、ガオガイガー、トランスフォーマーなど、その他様々なテレビのヒーロー達を兄が紙で作って、それを使って二人で遊んでいたことを思い出しました。

石山家にはゲーム機は一台もありません。別に親が買ってくれなかったとかそういうことではなく、兄弟二人が共に必要としてこなかったからです。

モノが無ければ作るというのは兄にとっては当たり前で、作ったもので遊ぶというのは私にとっても普通な事でした。買ったおもちゃもありましたが、持っていないキャラは全て兄のお手製でした。

作る事をごくごく自然に、幼少期から体現していた人間はやはり特別です。彼そのものがいなければ、今の自分は存在するわけがないとも思います。

私は全ての他者と関わる時、「尊敬はしても、憧れはしない。憧れはしなくても、尊敬はする。」というのをモットーにしていますが、兄だけは、その条件に当てはまりにくい特別な存在なのかもしれません。

兄のことはもちろん尊敬もしますし、趣向は違うものの、他の人には無い、限りなく憧れに近いものが今でもあります。その憧れに近いモノを、私はこれからも永遠に持ち続けるのだと思います。

久しぶりに強く印象に残る展覧会でした!!

作るために生まれてきたというのは、彼のために存在すべき言葉です。

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