2013年3月19日火曜日

一番守りたいもの

(この文章はは前ブログにて2012年3月14日投稿した文章です。)


「この中で、自分の命と変えてでも、モノを作りたい人はいますか・・・?」



正確には覚えていませんが、高校生の時、ある美術家が美術予備校の作品展に訪れて、こんな内容のことを言いました。
その時、私は迷わず手を挙げませんでした。答えはノーだからです。

命をなめちゃいけない。
その人の講評を聴いていると、知らない言葉や、知識、明解な語りに聴き入ってしまい、かなり頭の切れる人だということは解りました。人の話も丁寧に聴き、その上で助言をしていました。基本的な良識がある立派な方だとも感じました。
しかし、その発言に関しては違和感を持ちました。
 
生き続けなければ、何事も生み出せません。「命に変えてでも、モノを作る」というのはただの精神論。
制作に没頭した結果の代償として、精神や肉体が限界に達し、結果として命をすり減らすということや、命を落とすことはあったとしても、そんなことを意識的に美学として保とうとする人は不健康だと思います。
あえて「命懸けてます!!」と、自ら語る価値もないはず。個人的にはそういう考えはあまり好きではないです。嫌いというより、どうでもいいという感情に近い。

別に否定をしているのではありません。
 
ただ・・・・・・・・肉体的にも、発想としても〈不健康〉です。
 

私にとって、命以上に大切なモノはありません。生きていなければ何も出来ないからです。


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